台風に強いカーポートの選び方|おすすめモデルや災害対策も

日本は毎年のように台風や強風による住宅被害が発生しており、カーポートも例外ではありません。
この記事では、強風に強いカーポートの選び方や補強方法、修理費用目安や火災保険活用など、災害被害を最小限にするための対策をご紹介します。
毎年のように発生する台風・強風ほか自然災害被害の実態
日本では毎年およそ25個前後の台風が発生し、その接近や上陸により強風被害のリスクは常に高い状況にあります。
さらに、気候変動の影響で集中豪雨が激甚化し、国土交通省の白書によれば1時間降水量50㎜超の発生頻度は過去10年で約1.4倍に増加しています。
損害保険料率算出機構のデータでも、火災保険の保険金支払いの約半数が自然災害に起因しており、特に風災・水災による支払いが増加傾向にあります。
こうした現状からも、台風をはじめとした自然災害による被害は依然深刻であり、住宅付属設備であるカーポートにも早急な備えと対策が求められています。


※出典:気象庁「台風の統計資料」、国土交通省「国土交通白書」、損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況 」
台風・強風に強いカーポートを選ぶ3つのポイント
台風や突風による被害を防ぐためには、耐風性を意識したカーポート選びが欠かせません。ここでは「耐風圧性能」「屋根材」「支柱と基礎」の3つの視点から選び方を解説します。
耐風圧性能から見たカーポートの選び方
カーポート選びで重要なのが「耐風圧性能」です。一般的に42m/s以上で強風対策レベル、46m/s以上で台風常襲地域でも安心とされています。
数値は「どの程度の風速に耐えられるか」を示す目安であり、設置する地域の最大瞬間風速を参考に選ぶことが大切です。沿岸部や田園地域、風の通り道に位置する住宅では、より高い耐風性能を備えたモデルを選びましょう。

▼基準風速Vo(ブイゼロ)とは:
基準風速は、国土交通省告示第1454号で定められたもので、その地域における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて 30m/s~46m/sまでの範囲内において国土交通大臣が定める風速です。
カーポートの耐風圧強度は基準風速を基に算出しています(地表面粗度区分III地区で算出)。
カーポートの設置を検討する際は、お住いの地域の基準風速を確認し、それに見合った性能のカーポートを選ぶようにしましょう。
カーポート屋根材の種類と耐久性(ポリカーボネート vs 折板屋根)

屋根材はカーポートの耐風性を大きく左右します。ポリカーボネートは軽量で採光性に優れ、紫外線カット機能もありますが、強風時は元々外れやすい仕様になっていることもあり、飛散のリスクが残ります。
一方、折板屋根(スチール製)は重量があるため風に強く、積雪にも耐える頑丈さが特徴です。台風頻発地域や雪国では折板屋根が安心で、都市部や景観重視の場所ではポリカーボネートやアルミ製が選ばれる傾向にあります。
支柱構造と質の高い施工が耐風性能を左右する理由

支柱と基礎は、カーポート全体を支える最も重要な部分です。片側支持タイプは使い勝手が良い一方で、柱が無い開口部側が揺れに弱く、強風には両側支持タイプが有利です。
また、支柱を固定する基礎コンクリートの深さや厚みが不足していると、風荷重で倒壊するリスクが高まります。
本来の耐風圧性能を発揮させるためにも、強風地域では支柱本数が多く、適切な施工を行う外構業者を選ぶことが、長期的な安心にもつながります。
台風対策におすすめ!強風に強いカーポート厳選モデル
台風や強風に備えるには、耐風性能の高いカーポート選びが重要です。ここでは、各エクステリアメーカーが提供する強風対策モデルを厳選し、それぞれの特徴やメリットをわかりやすく紹介します。

幅広いニーズに応える業界トップクラスの折半カーポート。耐風圧46m/s相当、耐積雪300cmまで対応可能で、豪雪や暴風に万全の備えをしたい方におすすめです。

風と雪に強さを極めた折板カーポート。耐風圧46m/s相当の業界最高水準を誇り、台風や豪雪にも安心して備えられます。変形敷地にも対応しています。

耐風・耐雪性能に優れた台風常襲地域向けの折板カーポートです。耐風圧は46m/s相当、耐積雪は50~200cmから選べ、地域の気候に合わせた仕様で対応可能です。

耐風圧強度に優れた構造を採用した折半カーポートです。耐風圧46m/s相当で、重厚感あふれるデザインで台風や強風による被害を最小限に抑えてくれます。

アルミ屋根仕様のシンプルデザインで人気のカーポートSC基準風速46m/s相当モデルです。敷地形状に合わせて屋根カットできるので、幅広い環境に設置可能です。

耐風圧46m/sを誇る、高水準の耐風強度を実現した折半カーポートです。梁のないクリアな天井や柱と一体化したアルミ樋など、洗練されたデザインが特徴です。
カーポートの台風対策・補強方法
台風による強風からカーポートを守るには、設置後の補強や日常的な対策も欠かせません。ここでは、既設カーポートでも対応できる実践的な方法をご紹介します。
サポート柱を追加して揺れを軽減

台風時の強風では、片側支持タイプや後方支持タイプのカーポートが特に揺れが生じやすくなります。その対策として有効なのが「サポート柱」の追加です。
固定式や着脱式があり、強風時には補助的な支柱として荷重を分散し、揺れや倒壊リスクを軽減します。
普段は車の出入りを妨げない着脱式を選べば、利便性と安全性を両立できます。
強風からカーポートを守る補強部品

台風時に最も多い被害の一つが「屋根パネルの飛散」です。これを防ぐには、パネルを強固に固定する専用の補強部品の追加が有効です。
屋根ホルダーや抜け防止材を取り付けることで、強風による浮き上がりを防ぎ、飛散リスクを大幅に低減できます。既存のカーポートでも後付け可能な場合もあるので、設置から年数が経った場合は補強を検討すると安心です。
台風前に行うカーポートの事前対策チェックリスト
台風の接近時に慌てないためには、事前の点検と準備が欠かせません。ここでは、カーポートの不具合確認や散物の撤去など、災害からカーポートを守るために行うべき具体的な事前対策を解説します。
ボルト・ビスの緩みや支柱の傾きチェック
強風に備える第一歩は、カーポートの基礎部分の点検です。支柱を固定しているボルトやビスが緩んでいないかを確認し、必要に応じて増し締めを行いましょう。
また、支柱自体に傾きがないかも要チェックです。早期に異常を発見して補修すれば、台風時の倒壊リスクを大幅に減らすことができます。
雨樋や排水口の清掃で排水能力を確保
台風では大量の雨も降るため、雨樋や排水口が詰まっていると、水が溜まり屋根への負荷や雨漏りの原因にもなります。落ち葉や溜まったゴミを取り除いて排水をスムーズにすることが大切です。
放置しておくと、雨樋などの排水部品の破損にもつながるため、定期的な清掃を習慣づけましょう。
周囲の飛散物を撤去・固定する
強風時は、庭や駐車場にある物が凶器に変わります。植木鉢や工具、物干し竿などをあらかじめ片付けるか、しっかり固定することで、カーポートや車への被害を防止できます。
風で飛ばされたものが屋根材を直撃するケースも多いため、周囲の整理整頓は最も手軽で効果的な対策の一つです。
屋根材の一時取り外しも検討
耐風性能が低いカーポートや設置年数が長いものは、強風時に屋根パネルが飛散する恐れがあります。その場合、事前に屋根材を一時的に外しておくのも一つの方法です。
ただし、再設置の手間や劣化具合の確認も必要です。迷う場合は外構業者に相談し、台風シーズン前に判断しておくと安心です。
台風・強風によるカーポート被害と修理対応
台風や突風による被害は、カーポートにも大きな影響を及ぼします。ここでは、実際に被害に合った際の修理・交換の費用相場、依頼時の注意点や応急処置方法について解説していきます。
修理や交換の費用相場と工期の目安
台風や強風で損傷したカーポートの修理費用は被害の程度によって異なります。屋根パネルの交換であれば3万〜10万円程度、支柱の破損修理は10万〜20万円、全体交換となると20万〜50万円以上が目安です。
工期は部分修理で1〜3日、全交換で1週間程度かかるケースが一般的です。被害の規模を早期に把握し、複数業者から見積りを取ると安心です。
修理依頼時の注意点と応急処置方法
修理を依頼する際は、まず保険適用の有無を確認し、見積書に「台風による破損」と明記してもらうことが重要です。応急処置としては、飛散した屋根材を片付け、ブルーシートなどで覆って二次被害を防ぐのが有効ですが、安全第一で行いましょう。
破損部分には不用意に近づかず、可能であれば写真で記録を残し、外構業者や保険会社に連絡するとスムーズな修理対応につながります。
カーポートが台風被害を受けた時の保険活用ガイド
台風でカーポートが破損した際、修理費を抑えるには保険の活用が欠かせません。ここでは火災保険や風災補償の適用条件、申請に必要な書類、スムーズな申請の流れをわかりやすく解説します。
火災保険・風災補償でカーポートが補償される条件
多くの火災保険には「風災補償」が含まれており、台風や突風でのカーポート破損も対象となります。ただし、経年劣化や施工不良による損壊は補償外となる場合があります。
また、自己負担額(免責金額)が設定されていることもあるため、契約内容を事前に確認することが大切です。地域特性に合わせた補償内容の見直しも有効です。
申請時に必要な書類や写真撮影時のポイント
保険申請には「被害状況を示す写真」「修理見積書」「保険会社指定の申請書類」が必要です。撮影時は屋根材の飛散や支柱の破損など被害部分を複数方向から記録し、全景と部分の両方を残すと安心です。
修理業者に見積書を依頼する際も、被害箇所を明確に記載してもらうことで審査がスムーズになります。
保険適用の流れとスムーズな申請方法
台風被害を受けたら、まず安全を確保した上で写真撮影を行い、保険会社に速やかに連絡します。その後、修理業者に見積りを依頼し、必要書類と共に申請を行います。審査を経て補償額が決定し、修理工事が進められる流れです。
火災保険の保険金請求には、請求期限が定められているので、被害後は早期に対応することが重要です。
カーポートの台風・強風対策に関するよくある質問
ここでは、台風や強風からカーポートを守る際に役立つ、設置前の選び方をはじめ、設置後の補強方法や保険対応などをQ&A形式でまとめてみました。台風・強風対策の不安や疑問解決にお役立てください。
Q.台風に強いカーポートを選ぶ際の最重要ポイントは?
Q.台風に強いカーポートの「耐風圧性能」とは何ですか?
Q.カーポートの設置場所によって耐風性に差は出ますか?
Q.耐風性の高いカーポートはデザイン性が劣りますか?
Q.サポート柱は後付けできますか?
Q.台風時に屋根パネルが飛ばないようにする方法はありますか?
Q. DIYで補強するのは安全ですか?
Q.カーポートが台風で壊れた場合、修理費はどのくらいかかりますか?
Q.保険でカーポート修理はカバーされますか?
Q.保険申請の際に必要なものは何ですか?
台風・強風に備えたカーポート選びで安心の暮らしを
台風や強風の被害は毎年のように発生し、カーポートも例外ではありません。耐風圧性能や屋根材の耐久性を意識した製品選びに加え、補強パーツや日常点検を行うことで被害を大幅に軽減できます。
万一の際も、火災保険や風災補償を活用すれば修理費の負担を抑えることも可能です。
「自宅の地域に適したカーポートは?」「今あるカーポートを補強したい」など、カーポートについて不安があれば、ガーテリア各店までお気軽にご相談ください。早めの対策が安心できる暮らしにつながります。ぜひ一度お問い合わせください。